SIMフリースマホの大誤解!? 何でも使えるわけじゃないって知ってた？

「SIMフリーのスマートフォン」って聞くと、言葉のイメージから「SIMフリーなんだからキャリアを問わず使えるハズ」と思いがちです。

しかも、世の中には「SIMフリースマホ」として数多くの端末が出ており、機種ごとに特定のキャリアに対応してたり、非対応だったりする場合もあるので、現実問題としてかなりややこしい感じになっています。

SIMフリースマホ＝MVNOも含めて、あらゆるキャリアのサービスが利用OKということではない

ということをまず知っておいて下さい。

今回はなぜそのようなややこしいことになっているのかというと、それは各キャリアごとに使っている電波の周波数帯が違うからです。

そのあたりをもう少し掘り下げてみようと思います。

キャリアごとに通信方式と利用周波数帯が違う

携帯キャリア各社は、音声通話に3G通信を使用し、データ通信にLTEを使用しています。

ドコモとソフトバンクは音声通話にW-CDMA方式を採用しており、世界でも多くの通信会社が採用している通信方式です。

それに対してauの3G回線の音声通話にCDMA2000という方式を採用しており、この方式は世界でもマイナーな通信方式です。

ドコモ、ソフトバンクとauでは音声通話での通信方式が全く違うので互換性が無いということになります。

例えば、スマホのLTEの周波数帯がドコモ、au両方のバンド帯をカバーしていることが前提の話ですが・・・。

SIMロック解除したドコモの端末にau回線のMVNOのSIMを挿しても、データ通信はできるけど、音声通話はできないということになります。

逆に、SIMロック解除したauの端末にドコモ回線のMVNOのSIMを挿しても、上記と同様にデータ通信はできるけど、音声通話はできないということになります。

2015年から各キャリアがデータ通信だけでなく、音声通話もLTE回線を使うようにしようという「VoLTE」普及へと舵を切ったこともあり、現在はキャリアの端末は全てVoLTE対応機種となっているので、上記のようなデータ通信はできるけど音声通話は出来ないといった問題は解消されています。

下に各社が利用している周波数帯を掲載していますが、この表を見ると、ドコモ、au、ソフトバンクで使用している周波数帯（バンド帯）がそれぞれ違うことがわかります。

キャリアのスマホは、各社が自分たちそれぞれが使っている通信方式、周波数帯に最適化したものを販売しています。

ただ、対応周波数帯が広いスマホの場合は、キャリアが変わっても通信方式が同じであれば利用できる場合があります。

これはSIMフリーのスマートフォンでも同様で、SIMフリーといえども、結局はその端末がどんな通信方式、周波数帯に対応しているかによって使えるキャリアが自動的に決まってくるということになります。

またVoLTE対応機種の場合は、LTEの対応バンドのみを確認し、対応した端末とMVNOのVoLTE対応SIMを選べば通話もデータ通信も問題無く使用できることになります。

ASUS Zenfone3とモトローラ Moto G4 Plusで電波のつながりやすさが違う！？

以下はSIMフリースマホでメジャーな端末の「ASUS Zenfone3」の対応周波数帯です。

• ASUS Zenfon3 対応周波数
• FDD-LTE（4G）：B1/2/3/5/7/8/18/19/26/28
• TD-LTE（4G）：B38/39/40/41
• WCDMA（3G）：B1/2/5/6/8/19
• GSM（2G）：850/900/1800/1900 MHz

W-CDMA方式に対応で、CDMA2000には非対応なので、VoLTE非対応の格安SIMを使って、Zenfone3で音声通話+データ通信を利用しようと考えると、ドコモ回線のMVNO業者しか利用できません。

LTEの対応バンドはドコモのバンド１、３、19、28に対応。また、auのバンド１、18に対応しているのでVoLTE対応SIMを利用する場合はドコモ回線でもau回線でも日本全国どこで使っても電波は掴みやすいでしょう。

ですので、Zenfone3の場合はドコモ系のMVNOを利用する場合もau系のMVNOを利用する場合も「VoLTE対応SIMを選ぶ」のがおすすめということになります。

※VoLTEは音声通話もLTE回線で行うので通話も可能です。

ーラのSIMフリースマホ「Moto G4 Plus」の対応周波数です。

• Motorola Moto G4 Plus 対応周波数
• LTE（4G）：B1/B3/B5/B7/B8/B19/B20/B28
• TDLTE（4G）：B40
• UMTS（3G）：B1/B2/B5/B8/B19
• GSM（2G）：850/900/1800/1900

こちらも3G回線の場合はUMTSの対応バンドが1、19なので、格安SIMを使って音声通話+データ通信を利用しようと考えるとドコモ回線のMVNO業者を選ぶことになります。

LTEバンドでは、バンド１、3、19、28とドコモの周波数帯をカバーしています。それに対してauでは2Ghz帯のバンド1しか対応していないためau回線のMVNOで利用すると都市部以外では電波を掴みにくい可能性が高いです。

ですのでMoto G4 Plusでは通常SIMでもVoLTE対応SIMの場合もドコモ回線のMVNOがおすすめということになります。

このように端末によって対応周波数（バンド）に違いがあるために利用の際には注意が必要です。

auの3G（CDMA2000）の周波数帯は世界的に見ても少数派

また、SIMフリー端末でauの3G（CDMA2000）に対応している端末は少なく、au回線のMVNO業者を利用する場合は、auの端末をそのまま使うという流れになることがほとんどです。

auは2014年の12月から、LTEのネットワーク上でVoIPによる電話サービスを実現する「au VoLTE」の提供をスタートし、3G（CDMA2000）での音声通話を今後使わない方向に舵を切りました。

auの2015年の春モデルからVoLTE対応機種に切り替わってしまったので、最新の機種では格安SIMのVoLTE対応SIMじゃないとmineoやUQモバイルといったau回線のMVNOでは利用ができなくなりました。

ちょっとややこしいのですが、

• auのVoLTE非対応機種：mineoやUQモバイルの「通常SIM」（SIMロック解除不要）
• auのVoLTE対応機種：mineoのVoLTE対応SIM、UQモバイルのマルチSIM（VoLTE対応・SIMロック解除必要）

で使うことになります。

なお、auのVoLTE対応の端末は、au系MVNOで使う場合もSIMロック解除が必要で、一部SIMロック解除対象外機種もありますのでご注意ください。

SIMフリー版のiPhoneは真の意味でのSIMフリーに限りなく近い

iPhone自体は非常に幅広い周波数に対応しており、各キャリアともに共通モデルを使用しています。

しかしながら、そもまま様々なキャリアのSIMを使い回されると困るということで、各キャリアともにSIMロックをした状態で出荷されています。

iPhone6S以降のモデルのiPhoneはSIMロック解除に対応しており、SIMロック解除後は様々なキャリアのSIMで利用することが可能です。

なので、appleストアで販売されているSIMフリー版のiPhoneはキャリアの選択肢における制限がほとんどなく自由に選べることになります。

※au回線のSIMの場合、iPhoneでテザリングが使用できませんのでご注意下さい。

• 参考：iPhone6S（Appleストア公式）
• 参考：iPhone7（Appleストア公式）

• iPhone7/iPhone7 Plus 対応周波数
• FDD-LTE（バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、17、18、19、20、21、25、26、27、28、29、30）
• TD-LTE（バンド38、39、40、41）
• TD-SCDMA 1,900（F）、2,000（A）
• CDMA EV-DO Rev. A（800、1,900、2,100MHz）
• UMTS/HSPA+/DC-HSDPA（850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz）
• GSM/EDGE（850、900、1,800、1,900MHz）

まとめ

SIMフリースマホの押さえておくべきポイントは２つ

1. SIMフリーであっても、スマートフォン本体の対応周波数帯によって使えるキャリア、MVNOは決まる
2. スマートフォン本体の対応周波数帯は、製造しているスマホメーカーによって異なる

ドコモの端末は、ドコモ回線を借りているMVNO業者でSIMロック解除不要でそのまま使えます。（ドコモのanroidスマホではテザリングが使えないので注意）

auの端末は、au回線を借りているMVNO業者でSIMロック解除不要でそのまま使えます。（通常のSIM）

ただし、au VoLTE対応機種をMVNOで使用する場合は、購入後180日経過後にSIMロック解除をしてからVoLTE対応SIMで使用する必要があります。

一般的なSIMフリースマホは、ドコモ回線を借りているMVNO業者を選んでおけば問題なく使えます。

SIMフリースマホ、格安SIMのまとめ

2017年に入り、各社がSIMフリースマホを次々に投入した結果、その数はおよそ30機種以上にまで増えています。

色々と迷いたくない方、厳選したオススメ8機種のみを知りたい方は以下の記事をお読み下さい。

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現在発売されている格安スマホ・SIMフリースマホのまとめについては以下の記事をご覧ください。

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主な格安SIM22社のサービス比較・まとめについては以下の記事をご覧ください。

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