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WiMAX2+と大手キャリアや格安スマホの違い1【通信エリア、通信速度】
通信エリア
大手キャリアの人口カバー率は99%以上であり、大手キャリアから通信回線の一部を借りることで通信サービスを提供している格安スマホも同様のエリアで利用可能です。
2013年からサービスが始まったWiMAX2+の利用可能なエリアはこれらと較べると狭いですが、2013年10月のサービス開始時点で500局だった基地局の数が2017年2月には30000局に到達するなど、急速に利用可能なエリアを拡大しています。
さらにハイスピードプラスエリアモードでau 4G LTEを利用することで、大手キャリアであるauと同じ広さの通信エリアでデータ通信を利用できるため、実質的にWiMAX2+と大手キャリアや格安スマホの間に利用可能なエリアの差はありません。
通信速度
大手キャリアや格安スマホの通信速度はサービスを提供する会社や利用する料金プランによって異なります。さらにデータ通信を行う時の通信速度は利用者の環境に大きく左右されるため、広告などに掲載されている最大速度が出ることはめずらしく、実際には利用者ごとに大きく違う実効値が出るため、各サービスの正確な比較を行うことは困難です。
しかし通信速度の大まかな平均値を割り出して比較した場合、もっとも高速なデータ通信を利用できるのが大手キャリアを利用したデータ通信です。そして、格安スマホの通信速度はサービスを提供するMVNOごとに異なりますが、WiMAX2+の通信速度と主要な格安スマホの平均速度を比較すると、より高速でデータ通信を利用できるのがWiMAX2+です。
WiMAX2+と大手キャリアや格安スマホの違い2【通信速度制限、データ容量】
通信速度制限
モバイル端末の高速通信は、通信回線の混雑を防ぐなどの目的から使用できるデータ容量に上限を設けています。上限の内容は利用する料金プランごとに異なりますが、たとえば月間7GBの料金プランだと、1ヶ月間に使用したデータ容量が7GBを超えた時点で速度制限が適用されて大幅に通信速度が低下します。
そして大手キャリアの場合は上限を超えてデータ通信を利用すると通信速度が128kbps程度に制限されます。YouTubeを標準画質で視聴するために必要な通信速度が700kbps程度なので、大手キャリアの場合は通信速度制限が適用されると通常のネット利用が困難になります。そして格安スマホの場合も。
多くのMVNOは通信速度制限中は200〜300kbps程度まで通信速度が低下するため、通常のネット利用は困難になります。しかし、WiMAX2+は通信速度制限中でも1Mbps程度の通信速度が出るため、通常のネット利用が可能です。
また以前の通信速度制限は、3日で3GBという上限を超えた場合に翌日昼頃から翌々日の昼頃まで通信速度が制限されるという内容でしたが、2017年2月からは3日で10GBまでの上限を超えた場合に翌日18時頃から翌々日2時頃までの8時間だけ通信速度が制限されるという内容に変更されました。
データ容量
大手キャリアや格安スマホの料金プランは、利用可能なデータ容量に応じて細かく分かれています。大手キャリアの料金プランはとくに高額であり、月間20GBの料金プランが月額8000円程度、月間30GBの料金プランを利用するには月額10000円程度かかります。
しかし格安スマホの場合は、2GBで1500円程度、8GBで2800円程度など、大手キャリアと比較してとても安い料金プランが用意されています。そしてWiMAX2+は通常の料金プランが月間7GBで月額3600円と、格安スマホに近い料金で利用できます。さらにギガ放題という料金プランでは、1ヶ月に使用できるデータ容量が無制限の通信サービスを利用できます。
関連用語1【ギガ放題、プロバイダ、ノーリミットモード、ハイスピードモード】
ギガ放題
WiMAX2+の通常プランには1ヶ月に利用可能なデータ容量が7GBまでという容量制限が存在しており、その上限を超えると下りの通信速度が大幅に低下します。しかし「ギガ放題」という料金プランには1ヶ月の容量制限が存在しないため、月額4300円の利用料を支払うことにより追加料金は不要でWiMAX2+による高速通信を無制限のデータ容量で利用できます。
しかし、3日で10GBまでの上限を超えると、18〜2時頃の混雑する時間帯だけ下りの通信速度が1Mbps程度まで低下します。
プロバイダ
プロバイダとはインターネット接続のサービスを提供している会社のことです。インターネットを利用するには接続回線と端末、そして固有のIPアドレスが必要であり、プロバイダは固有のIPアドレスを発行して契約者に提供する役割を担っています。
そしてWiMAX2の契約を申し込む時はプロバイダ選びが大切であり、利用するプロバイダによって月額料金やキャンペーン内容などが異なります。20000円のキャッシュバックや商品券のプレゼント、または手数料無料などプロバイダごとに様々なキャンペーンを行っているため、選択するプロバイダによって2年間の契約に必要なコストに3万円程度の差が生まれる場合もあります。
ノーリミットモード
WiMAX2+以前のサービスであるWiMAXを利用して通信するモードです。WiMAX2+と較べて通信速度がかなり遅いですが、1ヶ月や3日間で使用可能なデータ容量の制限が存在せず、無制限に利用できます。
そしてノーリミットモードを選択するには、WiMAXに対応した料金プランを利用する必要があります。さらに現在はWiMAX2+のみに対応したルーターが増加しているため、ルーターもWiMAXに対応した製品を用意する必要があります。
ハイスピードモード
WiMAX2+を利用できる全ての機種が標準で搭載している通信モードです。サービス開始当初は下り最大110Mbpsの通信速度でしたが、その後は下り最大220Mbpsまで通信速度が向上しました。
さらに2016年12月からは、4×4 MIMOとCAを利用した高速化に対応した機種でWiMAX2+を利用することで、下り最大440Mbpsでのデータ通信が可能になりました。以前はこのサービスを利用できるエリアが東名阪付近に限られていましたが、2017年2月からは一部地域を除き、全国各地で下り最大440Mbpsでのデータ通信が利用できます。
関連用語2【ハイスピードプラスエリアモード、CA、4×4 MIMO】
ハイスピードプラスエリアモード
ハイスピードモードとau 4G LTEという2種類の通信回線を利用できる通信モードです。WiMAX2+を使っているモバイル端末の設定を変えることで利用できます。au 4G LTEは人口カバー率99%以上の通信設備を持った大手キャリアであるauの通信回線を利用できるため、WiMAX2+が未対応のエリアでも通信機能を利用できます。
さらにWiMAX2+のデータ通信が利用しにくい地下街や郊外部でも快適に利用できます。しかし、ハイスピードプラスエリアモードを利用すると月額料金に別途1050円が加算され、さらに1ヶ月に使用可能なデータ容量に制限がない料金プランのギガ放題を利用している場合でも、ハイスピードプラスエリアモードを使用すると1ヶ月7GBまでという容量制限が適用されます。
CA(キャリアアグリゲーション)
CAとは、違う周波数を持った複数の通信電波を同時に使用して束ねることにより通信速度を引き上げる技術のことです。複数の通信電波を使用するため、通信状況が悪い電波があっても他の電波に問題がなければデータ通信を継続できます。そしてサービス開始当初に下り最大110Mbpsだった通信速度は、CAを利用することにより下り最大220Mbpsまで引き上げられました。
4×4 MIMO(フォーバイフォーマイモ)
4×4 MIMOとは、モバイル端末と基地局の間を繋いでいるアンテナの数を4本にすることで、1つの電波で利用可能なデータ容量を増加させる技術のことです。負荷の大きい複雑な処理を必要とする技術のため、4×4 MIMOを利用するとモバイル端末の消費電力が増加して駆動時間が短くなります。